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2017年3月25日土曜日

フレットガットの交換法

フレットガットの交換の方法は色々なやり方がありますね。
以下の2つの例は、製作家に持ち込まれた(スペック不明の)リュートのフレットを交換するという設定のようにみえます。

Travis Carey氏の場合:



フレットの位置を紙に写し取っています。元の位置は信用できるという前提に立っています。
また、元のガットの径をノギスで測っています。スペック不明ならこれが無難でしょう。
新しいガットを水に濡らしてフレキシブルにすると言っていますが、その目的がよく分かりませんでした。
しっかり締まる効果を狙うなら、ガットの絞め方が緩いように見えました。絶妙なバランスがあるのだと思いますが。
絞め具合と絞めた後のスライド量との兼ね合いで最終的な締まり具合が決まります。
末端処理にライターを使っています。マッチと同様に怖い感じがします。


Martin Shepherd氏の場合:



元のガットの径をマイクロメータで測っています。持ち主が自分好みに換えているかも知れないので測るのが無難でしょう。
新しいガットは水に濡らすことはせず、また、末端処理には半田コテを使っています。
1/6コンマや平均律で計算されたフレット位置が印された紙ゲージを使っています。弦長に基づいて計算したものですが、これなら製作者が誰かは問いません。

持ち主が自分でフレットガットを交換する場合、各フレット毎のガット径もフレットの位置も既に分っているでしょうから、手数は減ります。

2017年1月30日月曜日

テオルボのフレットガットを交換

テオルボのフレットガット、特に、1~3フレット辺りが、弾いている最中にズレるくらいに緩んできました。応急的にはネック側にシムを挟んで凌いでいましたが、本日、全フレットガットを交換しました。
第1フレットは縛った後のずらし量が稼げないので強めに縛ったつもりですが、十分だったかどうか分かりません。しばらく様子を見ることにします。
テオルボに張っている弦は、ナイルガット(NGE)、ピラミッド(巻弦)、ガムート(ガット)のハイブリッド。


















2016年7月20日水曜日

Pegs & Nut

ペグは柔らかめの木材で作られているので、長く使っていると、弦による圧力で巻いている部分が凹んできたり、テーパ部分がすり減ってきますので、リュート製作家のPaolo Busato氏に予備のペグを作ってもらいました。
写真はバロックリュートのトレブルライダーに付く1コース用のペグと2コース用で、また、バスライダー用のナットを作り直したく、大まかに成形したナットも合わせて作ってもらいました。
時間をみて、自分で微調整をして仕上げるつもりです。

















2015年4月28日火曜日

テフロンシート Teflon sheet

Belgian Lute Academy(ベルギーリュートアカデミー)の季刊誌Geluit39(2007年9月)に、リュートのナットの滑りを良くする工夫として、テフロンテープを使うアイデアが紹介されていました。昔からテフロンは摩擦が少ない材料として知られていますので、私も試してみることにしました。
紹介されていたテープと同じものは入手可能ですが、もっと良いものはないかと探したところ、「滑りが必要な個所の表面保護」用にとScotch製の#5490というシート状の製品があることが分かりこれを購入しました。
バロックリュートでは6コースと7コースが最もナットの摩擦を気にするコースです。これまで”SLICK NUTZ”というカーボン主成分の潤滑材を使っていましたが、これよりも滑りが良い感じです。処置してからまだ2日ですので、もう少し様子をみる必要はあります。















(6コースと7コースについては、伸縮性の少ないワイヤでナットとペグの間を中継して、強引にナットの摩擦に打ち勝つ方法もあります。)




2014年11月2日日曜日

ガット弦

バロックリュート用のガット弦が届きました。
最近、ガットの材料の入手が厳しく、材料が3倍位に高騰しているそうです。
それで、ガット弦の価格もこれまでの1.5倍以上に上がってしまいました。
これまで羊だったものを牛にしてもこのような価格になってしまいます。


















2014年7月3日木曜日

テオルボのペグ調整(2)

テオルボのペグ調整をやり直しました。
これまでは、口紅タイプのペグ・コンポジションを使っていましたが、ステックスリップしてしまう傾向が残り、丁度よい位置に定めるのに苦労していました。
そこで、昔から使ってきたベビーパウダーを再度試すことにしました。結果、滑らかに丁度よい位置に止められるようになりました。色々、浮気してきましたが、どの楽器にもベビーパウダーが一番合うように思います。

2014年2月18日火曜日

ROKKOMANN's Guitar Guard

表面板に擦り傷が付くことを躊躇してはいけない。傷々になることは練習の証であると心に決めましたが...、
ギターガードを張り付けたところ、色々なアタックが全く躊躇なく試せる安心感があることがわかりました。
そう言えば、竹内さんもフィルムタイプのガードをバロックギターに張っていました。



2014年2月11日火曜日

Carnauba Cream

セラックニス塗装のリュートのボールは柔らかいので、ケースの内張り(Lining)がベルベットであっても、ケースに入れておくだけで、生地の目地が塗装面に移ってしまい見映えが悪くなります。
2000番から4000番のコンパウンドで表面を滑らかにした後(やり過ぎは禁物ですが)、カルナバワックスで保護するようにしました。
何度かに分けてポリッシュするのが良いようです。



2013年8月18日日曜日

ルネッサンスリュートの弦を交換

ルネッサンスリュートの弦を交換しました。これまでAquilaを中心に使ってきましたが、今回、Gamutを試してみます。
ただし、6コース、7コースのPistoygutはまだ入手できておらず、AquilaのLoadedgutのままです。

     1        g'             T40V
     2   d'   d'   T46V   T46V
     3   a   a    T60     T60
     4   f    f    T72     T72
     5   c   c    T92     T92
     6   G   g    P132   T66
     7   D   d    P176   T88







弦を切るときはカッターで楽器を傷つけないよう気を使います。かつては、小型の工作用ニッパを使っていましたが、最近は、先端が丸くなっていて誤って当たっても傷が付きにくいカッターを使っています。
刃先が弦を囲んで掴むので弦が逃げることがなく、小さな力で安定して切ることができます。

2013年6月16日日曜日

All Guts(3)

1月29日に1コースもガット弦に戻し、全コースともガット弦としました。
それまでA=415でしたが、100cent下げて張力を弱めにしてあります。
音の柔らかさが増しただけでなく透明感のある響きになっただけでなく、寿命に大きな効果をもたらしました。1コースが切れにくくなったことは有難いです。
が・・、本日、とうとう、切れてしまいました。でも、4.5か月も継もちました。
1コースはAquilaの42HTを張っていましたが、今回、Gamutの0.40 varnishedに代えてみました。さらに透明感が増した感じがします。

2013年5月3日金曜日

フレットガット交換


これまで、暫定的にフレットの緩み止めの処置をしていました。
やっと、重い腰を上げ、本日、フレットを交換しました。
よく言われることですが、楽器が生まれ変わった感じがします。
Fretguts are exchenged today, and instrument is reborn.

2013年4月27日土曜日

暫定的なフレットの緩み止め


かつてショルダーストラップに使っていた皮ベルト(東急ハンズで購入)を切って、ネックに挟み込んでいます。暫定のつもりが、結構長い期間使えます。
さすがに、弦が当たる部分が傷んできましたので、この連休中にフレットを交換しようと思います。
Although preliminary countermeasure, can be used for a while.

2013年3月3日日曜日

All Guts(2)


100セント分だけ張力を下げたことで、柔らかな弾力のある音質になり、右手がさらに脱力できるようになった気がします。
また、特に、1コースは存在感が際立っています。ナイルガットからガット弦に戻した効果は大きいです。音の柔らかさが増しただけでなく、透明感のある響きになりました。
1か月が経過しましたが、1コースが切れないのは嬉しいです。

音程の狂いが気になってきました。開放弦で合わせても、ポジションが上っていくと音程差が出てきます。それもコースによって狂い方が違います。とりあえずは、フレットをずらして応急的な処置をしています。

2013年1月29日火曜日

All Guts



1コースにガット弦を張ると、2週間持たずに切れてしまいます。それで、1コースのみナイルガットを張っていました。
櫻田さんのアドバイスもあり、楽器のピッチを100セント下げて、1コースをガット弦に戻してみました。100セント下げるだけで楽器の特性が変わるのはもちろんですが、1コースをガットにしたことで、「シャントレル」も蘇った気がします。

2011年5月29日日曜日

テオルボのペグ調整


先週のルネッサンスリュートに引き続き、今日は、テオルボのペグの調整を行いました。
ペグドロップを使おうとしましたが、テオルボには合いません。硬くなり過ぎて、回そうとするとペグが撓って折れるかも知れない位になってしまいました。
ペグボックスのペグ孔の長さが1コース側は15mm、バス側は30mmあります。細いリュート用のペグでは、この長さの孔で生じる摩擦に勝てないようです。ちなみに、ペグはサクラ材です。

というわけで、テオルボにはペグコンポジションを使うことにしました。硬さやスムース感は、こちらの方が良好です。

なお、5,6,7コースはDタイプからNewNylgutに替えました。これで、しばらく音色のギャップの変わり具合をみようと思います。

2011年5月22日日曜日

New Nylgut Strings(2)

今日は、ルネッサンスリュートのペグの調整を行いました。
ペグドロップを使いましたが、とりあえずは滑らかさが改善されたように思います。
ベビーパウダーを使った場合でも調整後は滑らかですから、どう違うのかはこれからの楽しみです。

New Nylgutは1コースに張ってみましたが、2コースのHTガットと区別できないくらい、色合いがガットによく似ています。

2009年7月13日月曜日

Temperature & Humidity Protector

A lute is protected from temperature and humidity of the human body using a special sheet (for wet suits?) in summer season.


リュートを弾くのに悩ましい夏がまたやってきました。
”悩ましい”のは、練習中に汗と体温のために着ているシャツがリュートのボールに密着し、くっついてしまうことです。セラックニスの塗装面にシャツの目地がしっかりプリントされてしまいます。
このプリントを落とす方法は製作家のPaolo Busato氏に教えていただき、その効果には満足しています。しかし、”不幸”が起こらないのにこしたことはありません。
いいもの発見。膝に当てて使う滑り止め用として東急ハンズで買っておいたシートが重宝しています。ダイバーのウェットスーツに使われているらしい、スポンジのような、ゴムのようなシートです。
これをボールと胸の間に挟みます。柔らかいですが布や革と違って形が安定しているので挟みやすく、断熱効果もあります。
これがあれば、安心して薄着でリュートを弾くことができます。


2009年4月30日木曜日

Solve the problem with the varnish

夏の過日、Tシャツ姿で練習していたら、体温と湿度のために、リュートのボールにTシャツがくっついて、目地がしっかりプリントされてしまいました。
ルネッサンスリュートでやってしましましたが、翌年にはバロックリュートでもやってしまいました。
色々、策を調べましたが、なすすべはありませんでした。
http://kakitoshilute.blogspot.com/2008/08/blog-post_26.html

セラックニス塗装なので、写ってしまった目地は年数が経過すると当初よりは目立ちにくくなってきましたが、やはり、しっかり残っています。
私のリュートを作ったPaolo Busato氏にも相談していたのですが、氏も何か考え試していたのでしょう。
最近、サンドペーパとコンパウンドを使う方法があることを教えてくれました。
半信半疑だったのですが、試してみたら効果がありました。
Tシャツの目地の痕跡は捜そうとしてもどこにあったか分からないくらいに綺麗になります。


注意すべきことは、サンドペーパとコンパウンドを使って表面を削っているのですから、極力、細かな粒度のものを使い、力を入れずに軽く磨くことです。

2009年3月23日月曜日

Wax presented by Paolo Busato(2)

私のリュートを作った製作家Paolo Busato氏から、表面板の仕上げに使ったワックスと同じものをいただきましたので、早速、試してみました。
表面は綺麗に保護されるようです。

Before
After

2009年3月11日水曜日

Theorbo sizes : the uncomfortable truth (2)

イギリスのテオルボ奏者 Lynda Sayce さんのエッセー
http://www.theorbo.com/Theorbo/Bigtheorbo.htm
ですが、全訳してみました。
未だ、翻訳の怪しい部分はありますが修正するとして、Lynda Sayce さんからの了承が得られれば、このブログにアップしようと思っています。