フレットガットの交換の方法は色々なやり方がありますね。
以下の2つの例は、製作家に持ち込まれた(スペック不明の)リュートのフレットを交換するという設定のようにみえます。
Travis Carey氏の場合:
フレットの位置を紙に写し取っています。元の位置は信用できるという前提に立っています。
また、元のガットの径をノギスで測っています。スペック不明ならこれが無難でしょう。
新しいガットを水に濡らしてフレキシブルにすると言っていますが、その目的がよく分かりませんでした。
しっかり締まる効果を狙うなら、ガットの絞め方が緩いように見えました。絶妙なバランスがあるのだと思いますが。
絞め具合と絞めた後のスライド量との兼ね合いで最終的な締まり具合が決まります。
末端処理にライターを使っています。マッチと同様に怖い感じがします。
Martin Shepherd氏の場合:
元のガットの径をマイクロメータで測っています。持ち主が自分好みに換えているかも知れないので測るのが無難でしょう。
新しいガットは水に濡らすことはせず、また、末端処理には半田コテを使っています。
1/6コンマや平均律で計算されたフレット位置が印された紙ゲージを使っています。弦長に基づいて計算したものですが、これなら製作者が誰かは問いません。
持ち主が自分でフレットガットを交換する場合、各フレット毎のガット径もフレットの位置も既に分っているでしょうから、手数は減ります。