2008年12月28日日曜日

Lute Cartoons

"The Lute Society of America"の"Lute Mailing Lists"で面白いトピックがアップされました。
"Lute Cartoons"です。作者であるDavid氏からのもので、フリーに使っていいよとあります。
ユーモアたっぷりです。 こんな発想は日本人からは生まれないかも。

メーリングリストのURL
http://www.mail-archive.com/lute@cs.dartmouth.edu/msg27084.html

David氏のURL
www.romanglassmakers.co.uk/david.htm

2008年12月16日火曜日

ジャーマンテオルボの回生(2)

これまで2コースをオクターブ下げないでいました。
和声的な作品では、「それも個性」という感じで不自然さはなかったように思います。
しかし、旋律的な作品ではそうはいきません。色々な箇所で旋律の構成音が不自然にオクターブ上がってしまうことに気付きました。
そこで、本来の?方法通りに2コースをオクターブ下げました。
これまで輝きのある音を出していた2コースもオクターブ下げたことで、沈んだ感じ、落ち着いた感じの響きになりましたね。

2008年12月13日土曜日

ジャーマンテオルボの回生

バロックリュートは最近はPaolo Bsato作を使っています。
ノーマルなリュートの方がやはり使い易いですね(周りにぶつけるリスクが少なく気楽です)。ということで、大きなジャーマンテオルボは使わなくなりました。
そこで、"ジャーマン"を取って13コースの"テオルボ"として使うように弦を張替えました。

【チューニング】
Aチューニングとします。
上段はテオルボ、下段はバロックリュートのdマイナーチューニング
1コースから順に、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
a e b g d A G F E D C B' A' G'
f' d" a f d A G F E D C B' A' -

両者は高音側の4コースだけが異なり、5コース以下は同じです。
ただし、テオルボでは1,2コースはオクターブ下げます。
また、バロックリュートには存在しなかった14コースは諦めます。

【弦の交換】
まず、複弦をシングルに変更するために、不要となる弦を外していきます。
1コースは外し、4コースと同じ弦を張ります。オクターブ下げますので。
2コースは残します。今回はオクターブ下げないでおきました(下げる理由は弦が切れない対応策と認識しているので) 。
3コースと4コースの1コース側は残します。後は、オクターブ弦を1本づつ弦を外していきます 。

何本か外しているうちに残りの弦の音高が上がってきました。それだけ、複弦の張力によってお辞儀していたネックが起き上がってきたという証拠のようです。
次に、各コースの弦間隔を一様にするため3コース以下のバス弦をブリッジから外して、1コース側の孔に付け替えます。

本当は新品の弦で張替えるのがよいでしょう。経済的な問題と、張替えた結果の効果が期待以下だったら無駄になりますので、今回は、それまで付いていた弦をそのまま流用しました。

【試奏】
シングルで張ったリュートは初体験でしたので、しばらく違和感はありました。
シングルで張ると、音がクリアになることと、音量を出しやすくなる効果があることを実感しました。
今回は2コースをオクターブ下げなかったので、アブノーマルな響きとなっているのかも知れません。2コースの音が突出して響く(目立つ)ような気がします。どこかで2コースも下げてみようと思います。

なお、ナイジェルノースはシングルで張ることの効果を示しています。
1. 強く弾いても複弦ではあったようなビリつきがない。
2. (弦が減った分だけ)調弦が容易で速くできる。
3. 弦のテンションが全体的に下がるので楽器への負担が減少する。
4. 左手のスラーが容易に効果的にできる。
5. 右手の爪で弾ける(17世紀の奏者はそれを好んだ)。

Nigel North
"Continuo Playing on the Lute, Archlute and Theorbo"
Indiana UniversityPress
http://www.nigelnorth.com/publications.html

2008年12月4日木曜日

BBC地球伝説

BS朝日の「BBC地球伝説」にて、クロアチアのドゥブロニクが紹介されていました。

美しき出会い 知られざる東欧の旅
http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/travel/tr_08_01.html

世界遺産として有名なこのルネッサンス様式の街角でテオルボを弾いている人がいました。
スティングとも共演したことがあるこの奏者の名前はエディン・カラマーゾフというらしいです。

テレビ画面をディジカメで撮影しました。少しモアレが現れていますが画質はたいして悪くありません。
我が家のテレビはパソコン用のハードディスクに録画できて便利ですが、データをパソコンに移せないためディジタル編集できないのは不便ですね。

2008年11月27日木曜日

バリトン?

パリを旅行したことのある人なら見かけたことがあると思いますが。
地下鉄の連絡通路で音楽を演奏している人たちがいます。

Trocadero駅で歌いながら弾いている音大生らしき人を見たと、我が息子からメールをもらいました。
(Trocadero駅はエッフェル塔のセーヌを挟んで対岸にあるシャイヨー宮の最寄駅です。)

一見、ビオラ・ダ・ガンバと思いましたが、よく見ると形がなだらかでどうも違います。
「バリトン」のようにも見えます。しかし、共鳴弦らしきものは確認できません。
「ビオラ・ダ・モーレ」は、マタイ受難曲等で使われているのを見ます。博物館で幾つかは見たことがありますが、共鳴弦が指版の裏を通っていて一見はその存在が目立ちにくいものもあります。
バリトンはビオラ・ダ・モーレそのガンバ版とも言えそうです。
また、弾き語りとは面白そうですね。

上野学園のURLでバリトンが紹介されていますhttp://www.uenogakuen.ac.jp/data/museum/museum6.html

以下、引用です。
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バリトン
ヴィオラ・ダモーレの低音楽器、またはガンバにダモーレの特徴を加えた楽器と
言えます。さらに、共鳴弦は弓奏の間に左親指で撥かれたりもします。豊かに装
飾を施した楽器が多く、姿も豪華だったからでしょうか、王侯が好んで演奏しまし
た。ハイドンが楽長を勤めたエステルハーズィ候はその一人で、ハイドンは侯の
ために100以上のバリトンを含む室内楽を書きました。*****************************************************************
また、CDも出ています。
LYRINX LYR-150
アーベル:バリトン(弦楽器)のためのソナタと小品集
  フィリップ・フーロン(バリトン) 、 ラクリメ・コンソート

バリトンの音は聞いたことがありません。どんな響きなのか興味があります。

2008年11月23日日曜日

リュートの内部構造

リュートの内部構造は、資料では時々見かけます。
特に、Historical Lute Construction、Robert Lundberg著http://www.luth.org/books/luteblrb.htm
が詳しいです。
歴史的な楽器の外観や内部構造が紹介されています。リブの走り方にも色々あるようです。

メトロポリタン美術館に、分解された(壊れた?)リュートが展示されていました。
直接、内部構造を現物で見るのは機会がなく、興味深いものがありました。
これ1台しかないのは寂しいですが、期待して見に行った訳ではないので、見れてよかったです。












メトロポリタン美術館(2)



ローラン・ド・ラ・イールの「音楽の寓意」、人物・楽器が等身大で迫力がありました。
楽譜もしっかり読めます。模様として描かれたのでなければ、きちんと弾けると思います。

2008年11月21日金曜日

ガット弦を張ってみました(4)

本日、ケースを開けたら、やはり、1コースが切れていました。
切れた箇所はナット部分でした。
10月26日に張替えて、15日に出国し、帰国した21日に切れていることを確認したので、3週間以上は維ったことになります。

これで、寿命の実感が沸きましたので、今回からナイルガットに戻すことにします。

2008年11月19日水曜日

ニューヨークは寒い

ニューヨークは寒いです。
冬物のジャケットを持ってきたのですが、これでは寒さはしのげません。コートを持ってきていなかったのが悔やまれます。
建物~車の移動の時はよいですが、夕食でぶらつくときは、厳しいです。建物の中にいるときはコートは邪魔ですが。 日本のように地下街があればいいのに。
ホテルはマンハッタンの真ん中にあり、近くにH&Mがあることは土曜日に確認済みです。と言っても、(薄着で)5分以上も歩くのは厳しいです。
土曜日はコートが必要と思うほど寒くなかったので、そのつもりはありませんしたが、もし、時間を見つけられれば、コートが買えればと思っています。
でも、もう、明後日には帰路に着きますので、無駄な気がします。

ブロードウェイ・ミュージカルの一端は味わいました。エンターテイメントとして面白さは感じます。
古楽の視点から見ますと、ニューヨークには興味を抱かせるものは目に入りません(多分、滞在が短く、仕事しかしていないからでしょう?)。

2008年11月17日月曜日

メトロポリタン美術館

本日、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)に行ってきました。
ローラン・ド・ラ・イールの「音楽の寓意」、迫力がありますね。
Misaさんのページ(古楽画廊)のこれです。http://gallerymisa.hp.infoseek.co.jp/theorbo/theorbo17.html

楽譜もしっかり読めます。アップ写真を撮りました。
(メトロポリタンはムービーは禁止ですが、写真はOKです。)
帰国したら、一度、チャレンジしてみようと思います。

その他、カラバッジョの作品他もここにあるのは知っていましたので、しっかり、現物を見てきました。

メトロポリタンは見学順路はあるようですが、他の美術館に比べ、分かりにくかったです。何度も同じ部屋に来てしまいました。

結局、フェルメールの「窓辺でリュートを弾く女」は鑑賞することはできませんでした。