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2009年3月6日金曜日

Wax presented by Paolo Busato


気にするかどうかにもよりますが、リュートが汚れてきたらクリーニングしたくはなります。
小指の当たる部分の汚れについては、神経質になリ過ぎるのはいかがなものかとは思いますが。
その汚れはそのリュートとそれを弾き込んだ演奏者の共同の勲章でもあります。逆に言えば、演奏するために入手されたリュートでありながら、汚れのない新品同様のリュートであるならば、それは楽器としての価値の低いリュートだったのでしょうね。
でも、汚れって落とせるものかどうかは(技術系の人間としては)興味がありました。
何らかの方法で取り合えずの汚れは落としたとしても(実は試してみたのです。確かに表面は綺麗になりますが。)、その代償として表面の保護機能が損なわれてしまう場合があります。
それで、その後のケアーはどうするか。そのようなことを私のリュートを作った製作家Paolo Busato氏に相談しました。
私のリュートの表面板はワックス仕上げということで、仕上げに使ったワックスと同じものを少量送ってくれました。少量とは言っても、1、2回で使い切れる量ではないような。
いずれにせよ、製作家とは親しくなっておくものですね。

2009年1月20日火曜日

リュートのメンテナンス(2)


DAVID VAN EDWARDS氏の"THE CARE OF YOUR LUTE"、一通り目を通しました。それで、私のノートの目次も更新しました。
フレットガットの結び方は氏のWebページに紹介されていましたが、それ以外は、この小冊子にしか書いていないようです。

2009年1月13日火曜日

リュートのメンテナンス


リュート製作家のDAVID VAN EDWARDS氏によるリュートのメンテナンスに関するBookletが、10年前にイギリスのリュートソサエティから出版されています。

THE LUTE SOCIETY BOOKLETS
THE CARE OF YOUR LUTE
DAVID VAN EDWARDS
The Lute Society 1998
Non-members: £2.80

安価な小冊子ですが、実績と信頼のある製作家による記事ですから安心できます。知っているようで知らないことが結構解説されています。
少しづつですが、読みながら要点をメモしたりしています。LaTeXで書いていますので目次も簡単に生成できます。現在、途上ですが、目次は写真のようになっています。終わりまで読み切るまでまだかかります。

2008年9月8日月曜日

ナットのメンテナンス3


リュートはペグボックスが直角に近く折れ曲がっているため調弦がやりづらいです。

特に、ナットからペグまでの距離が長いと、この間の弦が伸びてしまい、さらに、音を合わせにくくしています。バロックリュートでは6コース、7コースが相当しますが、ペグを回しても、音が安定する位置がスリップして、期待する音程に合わせることができない場合があります。



"Historical Lute Construction" Robert Lundberg(著)ではナットに以下の処置を施すとあります。
①Polish grooves with a fine linen thread and fine pilishing compound.
②Wax the nut with microcrystalline wax and it is finished.

①は効果を確認済みですが、②についてはまだ経験していませんでした。
"microcrystalline wax"は見つけることができませんでしたが、色々調べていると、丁度、この目的のための製品が売られていることはわかりました。Lizard Spit / SLN10 Slick Nutz(写真右)です。
弦楽器ならどんな楽器でも(バイオリン、ギター、エレキギターなど)使えるようです。木やプラスチック、骨などに使えるとあります。ナットの摩擦を低減する天然成分の潤滑剤で、グラファイトが配合されており黒色です。
使ってみました。期待を裏切りません。
バロックリュートの6・7コースに使ってみましたら、ある張力を超えるとナットの位置でスリップする現象が抑えられ、期待する音程に合わせることが億劫でなくなりました。
7コースルネッサンスリュートの7コースのバス弦はペグボックスの外側で巻くようになっているのですが、ナット部分は直角以上に曲がっているため合わせるのが大変でしたが、スムースに調弦できるようになりました。
鉛筆でやってみたときは効果はほとんど感じませんでしたが、焼結カーボンと天然グラファイトの違いだけなのでしょうか。他にも何か入っているのでしょう。市価は2100円でしたが高いとは思いません。
ちなみに写真左はペグ調整用のベビーパウダーです。

2008年7月22日火曜日

ナットのメンテナンス2

以前に、"Historical Lute Construction" Robert Lundberg(著)の話を紹介しました。
①Polish grooves with a fine linen thread and fine pilishing compound.
②Wax the nut with microcrystalline wax and it is finished.
①だけでも効果がわかることを書きましたが、②はまだ試していませんでした。

"microcrystalline wax"を入手しようとして、画材店や東急ハンズに行ってみたのですが難航しています。
"microcrystalline wax"は、艶出しや、塗膜・印刷面等の表面保護、接着剤や化粧品のの材料として使われているらしいのですが。
サンタイトSUNTIGHTという製品があるのですが、20kg入りの袋で売られています。そんな量で売られていても困ってしまいます。
http://www.seiko-chem.co.jp/product_list.html

100ccに満たないような小さな容器で売られていることを期待したのですが、未だに見つかっていないのです。
画材として艶出し用には「グロスワニスGloss Varnish」というものがありました。これがMicrocrystalline waxと同等なものか分かりません。東急ハンズで400円程度だったので買ってきましたが、まだ、試していません。
http://www.kawachigazai.co.jp/item/E610_76.htm

2008年5月16日金曜日

ナットのメンテナンス

ナットの滑りが悪くなったら、B程度の鉛筆で溝をこすって、カーボンで埋めるとよいという話をどこかで聞いたことがあります。
何時だったか、NHK BSの「関口知宏が行く ドイツ鉄道の旅」で、30万円も出して買った中古の10コースリュートのナットの滑りが悪く、訪問先のリュート奏者アクセル・ヴォルフが鉛筆を使って調整していましたね。
でも、この方法では、一時的にしか良くならないです。ナットの仕上げ状態が悪いのを根本的に治療していません。私も試したことはありますが気休めにしかなりませんでした。

でも、いい話があります。
①Polish grooves with a fine linen thread and fine pilishing compound.
②Wax the nut with microcrystalline wax and it is finished.

①だけでも、即効果がわかります。ナットの溝がピカピカになり、調弦が滑らかになります。お勧めです。
②はまだ試していません。"microcrystalline wax"というのは「表面亀裂防止剤」で、画材店で扱っているらしいです。購入しようと何度も思ったのですが、出かけたときには忘れてしまっていて....。

この話の出展は、"Historical Lute Construction" Robert Lundberg(著)の227ページです。
http://www.luth.org/luteblrb.htm

リュート製作のための優れた本のようで、演奏家にも興味深い話が満載です。
私もLundbergのリュートが欲しかった(奥様に聞こえないように小さな声で)。