2008年6月12日木曜日

「奏楽の天使」 ロッソ・フィオレンティーノ


リュートに何らか関わっている人は、この絵をどこかで見たことがあると思います。
この度、フィレンツェのウフィッツィ美術館で本物を見ることができました。

同美術館の公式ガイドブック(シンプル版で10ユーロ)によりますと、
この絵はこれ自身で独立した作品と考えられていたが、最近行なわれた反響試験の結果によると、聖母と聖人たちが描かれていた消息不明の祭壇画の一部であった可能性があるということが分かってきた。
この愛らしい小天使は階段に座っていたに違いなく、この絵の表面には階段の平行線が残っている。
とあります。
なるほど、そう言えば、そのような構図は、
ANGELICO, Fra       : The Coronation of the Virgin
MONTAGNA, Bartolomeo : Madonna and Child Enthroned with Saints
VIVARINI, Alvise : Altarpiece of St Ambrose
CARPACCIO, Vittore  : Presentation of Jesus in the Temple
などで、類例をよく目にしています。
なお、ここにアップした写真は、同美術館内の売店で売られていたマグネット(よく冷蔵庫などに張って使っている)の絵をスキャナで取り込んだものです。