2016年5月3日火曜日

パドヴァ式テオルボ

櫻田さんが録音に使われた「パドヴァ式テオルボ」と同じタイプの楽器が売りに出されています。
Stephen Murphy (1994)
IVO MAGHERINI (2015)

図の左、1番が「パドヴァ式テオルボ」 (Praetorius, Syntagma Musicum II)



2016年5月1日日曜日

Theorbo TORU SAKURADA

正式リリースはまだ先とのことですが、1枚、送っていただきました。
ガット弦の包容性がしっかり伝わってきます。また、バロックリュートでは当たり前でしたが、テオルボでの複弦の唸りにも初めて接しました。

録音に使われた楽器はニコ・ファアン・デア・ヴァールス作(1997年)の「パドヴァ式テオルボ」。オリジナルはウィーン美術史博物館に所蔵されているヴェンデリーノ・ヴェネーレ(1611年、パドヴァ)。この楽器は佐藤豊彦氏の要望で作られたものだそうです。

ちなみに、『テオルボは17世紀初頭のイタリアでは2種類存在したようである。プレトリウスが1619年に出版した3巻からなる音楽大全「シンタグマ・ムジクム」の第2巻にこの2つの楽器が挿絵入りで載っている(挿絵参照)。向かって右側のテオルボは「パドヴァ式テオルボ」と呼ばれ、大きなボディに対して比較的短いエクステンションの低音弦を持っている。一方で左側の「ローマ式テオルボ」はキタローネと呼ばれ、それほどまで大きくないボディであるが、低音弦は指板上の弦の2倍の長さである。』


2016年4月3日日曜日

ジョン・エルウィス&渡邊順生

宗次ホール 2016年4月3日
  ジョン・エルウィス: テノール
  渡邊順生: ラウテンクラヴィーア

これまでにライブでこの楽器の音を聴く機会がなく、本日の興味は専らラウテンクラヴィーアにありました。ガット弦を張ったチェンバロですが、日本には2台しかないそうです。
リュートと間違う位に音質が似ているのかと不純な動機で聴いてしまいました。モダンの弦を張ったリュートと比べても意味がないですが、ガット弦を張ったリュートと比べても楽器の構造が根本的に異なります。確かに似た音を醸し出しますがリュートと間違う程ではないことが分かりました。チェンバロらしさを損なうことなくリュートの柔らかさを合わせ持つ楽器として意義があるように感じます。
プログラム後半のリュート弾きにお馴染みのBWV996はゆっくり噛みしめながら聞きたいと思っていましたが、イメージよりテンポが速く追い着くて行くのみとなってしまいました。
ジョン・エルウィスのテノールは迫力がありました。レティタティーヴォを聴いているような没頭感がを味わいました。




2016年4月1日金曜日

Massimo Merchese Master Class 2016 JAPAN

昨年、京都・堺・大阪でコンサートを行ったマッシモ・メルケーゼ。
ソプラノの端山梨奈さんとのデユオやリコーダを加えたトリオもありました。

















今年は熊本と大阪でマスタークラスを開催します。
大阪モーツァルト協会イタリア文化会館-大阪がタイアップ。

熊本大学
  2016年6月26日(1日のみ)

イタリア文化会館-大阪
  2016年7月3日、10日、17日 10時~17時

詳細と申し込みは大阪モーツァルト協会まで。


2016年3月27日日曜日

Django Tablature Editor(3)

最新のベータ版を期限付きで全機能を試せるとの案内が来ました。残念ながら、旧版では問題なかった通奏低音の数字が斜めにずれて見苦しくなってしまいます。作者に問い合わせ中です。旧版にも斜め線が入る様なややこしい数字の記述ができないような問題はありますが、それを諦めれるのであれば結構使えると思います。
beta20は今風の画面デザインに一新されていてそれはいいのですが、今のところこれにアップデートする必要を感じていません。



2016年3月24日木曜日

イェスティン・デーヴィス カウンターテナー・リサイタル

NHK BSプレミアム
3月25日 午前5時00分~ 午前5時55分
クラシック倶楽部 イェスティン・デーヴィス カウンターテナー・リサイタル

イェスティン・デーヴィス(Iestyn Davies) : カウンターテナー
トーマス・ダンフォード(Thomas Dunford) : リュート

【収録】2016年2月4日(木)武蔵野市民文化会館小ホール

録画予約しました。


2016年3月21日月曜日

佐藤豊彦・佐藤美紀 「総象牙のリュート!」

「2台のバロックリュートによるドイツ音楽」
会場:佐保山茶論(奈良市)
2016年3月19日&20日 14:00開演

3月20日、陽気の丁度心地よい日和の中で、佐藤豊彦・美紀親娘による2台の象牙のリュートによるデュオコンサートに出かけました。


デュオの作品の一方が失われているものはご自身で復元されたそうです。最後のヴァイスのシャコンヌGマイナーはソロで聞き慣れた耳で聞くとまた異なった空間を感じます。


象牙のリュートはカナダのリチャード・バーグに1981年に製作を依頼したもので、ボウルは厚さ0.8mmの総象牙で、スペーサーのストライプにも薄い象牙が挟まれています。昨年、荒尾の「リュートの家」でのセミナーに参加したときにガラス棚の中にあったのを見かけた気がします。
Richard Berg(Ottawa, Ontario) made this 14 course baroque lute in 1981, fully ivory is used to the bowl; 0.8mm thickness, also thin stripe ivory is embedded in the evony spacers.


References of ivory lute;
Canadian Museum of History
守田さんのページ「朝歌」(in Japanese)



午前中は京都の黒田さん(テオルボ)と私(バロックリュート)のレッスンの時間を取っていただきました。
前回のレッスン以降、私のバロックリュートはガット弦に換え、いただいたアドバイスに応えることを念頭に練習してきました。課題曲はヴァイスのシャコンヌGマイナー(本日のプログラムの最後の曲のソロ版)とバッハのアルマンドBWV1007でした。

2016年3月9日水曜日

ニ短調調弦

バロックリュートはニ短調調弦が定着していますが、色々な試みがありました。
"AN INTRODUCTION TO FRENCH LUTE MUSIC OF THE XVIIth CENTURY" アントニー・ベイルス、小川伊作翻訳によりますと、「ニ短調調弦がきわめて早い時期に用いられたのに、一般的に受け入れられたのは1650年代になってからというのは興味深い。」とあります。
出典として、"Tablature de differents autheurs sur les accords nouveaux", Pierre Ballard, 1638が紹介されています。高音側6コースのみを見たときは以下のように分類されます。

1631年版:
[A d g h d' f#']
[A d g b d' f']

1638年版:
[A d g b d' f']
[A d g h d' f']
[A d g h d' f#']
[A d f a d' f']

1631年版ではバス弦の違いも入れると3通りになります。





















2016年3月8日火曜日

Django Tablature Editor(2)

大譜表(高音部譜:ト音、低音部譜:ヘ音)を使い、低音部に通奏低音の数字を書きたいとき、楽器としてピアノを設定すると、高音部には数字を書いて表示できるが、低音部には書き込んでも表示されない。
この場合、高音部と低音部は個別の楽器を指定するとよい。バイオリンとバスビオールなど。
タブラチュアのフォント指定はInstrument option → tablature → signature font からではできない。
など、色々分かってきました。
まだまだ、分からないことは沢山ありますが、通奏低音のリアライゼーションの練習を目的にLa Montfermeilをタイプしてみました。
















2016年3月7日月曜日

Nikolaus Harnoncourt (1929-2016)

ニコラス・アーノンクールが亡くなったことが、公式ホームページにて家族から報告がされています。
グスタフ・レオンハルトも2012年に他界し、古楽のパイオニアが一人ずつ、その姿が見られなくなっていくのは寂しい限りです。