2020年7月12日日曜日

弦が切れる瞬間

いつもリュートをケースに入れて保管している人は、ある時、ケースを開けたら弦が切れていたというのはよくくあることです。
最近は、ケースに入れず壁に掛けているので、切れる瞬間には立ち会えると期待していましたが、残念ながらその瞬間は部屋にいないことが多く...。
本日、やっと立ち会えました。切れる瞬間は派手な音がするのかと思いきや、「パチッ!」ではなく「プツッ」でした。
バロックギターの第2コース、2フレット目付近がケバ立ってきていたので替え時と思っていたところでした。

第2コースの1本が

壁掛けは便利です

2020年7月4日土曜日

Summer course with Andrew Lawrence-King

講習会の数々がコロナ禍で中止を余儀なくされていましたが、今月、Andrew Lawrence-Kingの古楽セミナーがエストニアのHiiumaa島で開催されることに。
ところで、ストラディバリウスはハープも作っていたのですね。1681年製だそうです。



バロック期のフランス語を読むための辞書

Dictionnaire de l’Académie François. 1694

“Luth”の項:
冒頭でリュートは「弦を弾いて演奏する楽器のひとつ」と説明するも、以降はリュートについて話すときに出てきそうな用語が羅列されていて、それらは何なのかは全く説明されていない。
「純化主義」により多くの語が排除されたそうだが、そうだとして、このような空虚な語の羅列は何なのだろう。知らない人には何を言っているのかわからないでしょう。
1762年版では綴り字が「改善」されてきてはいるものの、記述内容に変更はない。

Dictionnaire de l’Académie François. 1694


Dictionnaire Universel Francois Et Latin, Vulgairement Appele Dictionnaire de Trevoux. 1771
(Furetiere, Dictionnaire universel. 1690 を受け継いで進化させた辞書)

“Luth”の項:
リュートとはどんなものか説明している。時代と共に弦の数が増えたこと、ボディ、ボウル、ペグボックス、ネックなど各部の呼称や材料・構造、ガット弦が張られることや調弦についても触れている。ブローニュのリュートは良い材料を使いその音色も美しいと書かれ、価格まで記述されている。

Dictionnaire Universel Francois Et Latin, Vulgairement Appele Dictionnaire de Trevoux. 1771

幾つかのフランス語史に関する書籍や解説によると、Académieの辞書は偏狭な理想主義により、古語や新語、俗語、専門用語、写実的な言葉などが排除され、豊かさや多様性への配慮がない。
一方、Trevouxの辞書では、技術的・専門的な語彙も扱い、デカルトやメルセンヌらの自然学の理論家のフランス語の文章も用例としている。

ということから、その時代に書かれた文芸作品を読み解くにはTrevouxの辞書が有用であることは間違いはなさそう。




2020年6月16日火曜日

High resolution images, Weiss, London (2).

All of high resolution images were reconstructed from tiled images.
It takes about five minutes with Intel i7 PC.

分割されたタイル画像から高精細画像に復元するプログラムにて、
全ページ分の画像を処理するのにIntel i7 PCで約5分かかりました。


2020年6月14日日曜日

High resolution images, Weiss, London.

High resolution images, Weiss, London also can be downloaded from the B.L.'s site.
Unfortunately, there are separated in tiled images for fast display on your browser.
Therefor certain reconstruction process should be needed.
Reconstruct them into a single whole image is easy if software is prepared.

ヴァイス、ロンドン曲集の「高解像度画像」も大英図書館からダウンロード可能です。
ただし、ブラウザでの拡大表示の高速化のために幾つものタイル画像に分割されています。公開されている分割ルールにもとづいて、1枚の画像に再構成する自動化プログラムを作ってみました。

High resolution (Reconstructed)

High resolution (part)

Normal resolution

Normal resolution (part)

2020年6月9日火曜日

Français du 17ème siècle.

LIURE DE GVITTARRE DÉDIÉ AVROY COMPOSÉ PAR ROBERT DE VISÉE, 1682.
にて、「フランス語が整備されていく歴史に詳しくないと、この当時の文章を読むのは容易ではないことが分かった。」と書いた。

そこで、あまり深入りせず、フランス語が整備されていく変遷がわかるものはないかと探してみた。

フランス語の歴史 大学書林
古フランス語文法 大学書林
フランス語史(増補改訂版) 駿河台出版
フランス語史 (文庫クセジュ)  白水社
現代フランス語のできるまで―フランス語小史 白水社
 等々

手ごろな価格の本は絶版となっていて古本を探すしかないらしいが、フランス語史(増補改訂版)を入手した。新本を定価で買えた。


さっそく、17世紀の章を見てみると、

『XVII 世紀の語象に関して注意すべきことは、.... 一見したところ, 今日と同じように使われていても。実は意味に違いがあったり, 意味の強さに無視できない大きな違いがあったりすることはまれではない。』

この本には具体的な記述はない。では、何を見ればそれが分かるのだろう。道のりが長くて途方に暮れそう...。

また、

『つづり字については17世紀の主流は, ... 個人により, 印刷業者によりそのつづり字は不統一であった。』

つづり字の違いは類推可能と侮れない。時制・人称や接続法・条件法などの意味をはき違えてしまう恐れがある。

なお、この本では具体例が辞書的に列挙されているわけではないので、この本を読んだだけでは17世紀の楽譜や資料を読んでいくという目的は果たせない。

2020年5月24日日曜日

Computer Vision & Image Processing (4)

小さいサムネイル画像では違いが分かりにくいので、ノーマルサイズの画像をいくつか。
Small thumbnail images are hard to see the difference, so some normal size images are here.

Original Images from British Library

























Noise suppressed Color

























Enhanced Gray






















2020年5月21日木曜日

Computer Vision & Image Processing (3)

開発したソフトウェアをWeissのLondon Manuscriptに適用してみました。
この曲集の画像上のノイズの主な特徴は、裏面のインクが表面に届くことで起こるゴースト(裏抜け(strike through))です。そして、そのゴーストは本体の文字・線に比べ濃度が低いことです。ここに着目したノイズ低減を行っています。
ただし、画像処理の計算負荷は重く、Intel i7のPCを使って1枚当たり約20秒かかります。
曲集は317ページを超えますので、全画像を処理するのに約2時間かかっています。

The software I developed was applied to London Manuscript, Weiss.
The main feature of noise on the images is "strike through", and it has a lower intensity than the letters and lines of the tablature. I focused on this point.
The computation load of processing is so heavy, and it took about 20 seconds per image using an Intel i7 PC.
Since this manuscript exceeds 300 pages, it took about 2 hours to process all the images.

I prefer "Enhanced Gray" than "Augmented Binarization".

Original Images from British Library

Noise suppressed Color

Enhanced Gray

Augmented Binarization

2020年5月17日日曜日

Computer Vision & Image Processing (2)

ファクシミリ画像が各国の図書館から入手できます。そのままでも使えなくはないですが、適当な画像処理を施せば読み易くすることができます。
Computer Vision & Image Processingの世界で紹介されている手法だけでは満足のいく結果は得られなかったので、やむなく核心部分を自作することで何とか目途が立ちました。一連の作業は自動化可能な仕様にしてあります。

Facsimile images are available from libraries around the world. We can use it as it is, but we can make it easier to read by applying appropriate image processing.
The method introduced in the Academic field of Computer Vision & Image Processing was not enough to obtain satisfactory results, so I had no choice but to make the core part myself. Required operations of processing are designed so that it can be automated.


Sample: Weiss London from British Library.

Original Image













Noise Suppression













Color to Gray













Image Enhancement

























2020年5月4日月曜日

Academy of Ancient Music

Academy of Ancient Music
The Art of the Lute
with Thomas Dunford.

Recorded LIVE from London's Milton Court Concert Hall.

Thomas Dunfordは最近ページターナーを使うようになったようです。譜面台を指先で一瞬ふれています。タブレットを置いてあるのでしょう。足元にもペダルも置いています。脚を組んでリュートを支えていると曲の途中でペダルを踏みにくいような気がしますが、曲間で踏んでいるので問題ないですね。




J.S. BACH
Orchestral Suite No.2 in B minor, BWV1067 (1738-39)

JIRÁNEK
Flute Concerto in G, II. Adagio ('Mystery Music')

VIVALDI
Concerto from Trio Sonata in C major, RV82 (c.1730-31)

J.S. BACH
Suite in G minor, BWV995 (c.1727–31)

BUXTEHUDE
Trio Sonata for violin, viola da gamba and continuo in B flat major, Op.1 No.4, BuxWV255 (1694 )

VIVALDI
Concerto for Lute in D major, RV93 (c.1730-31)