そこで、コントラストの高さとそこからの距離に応じて平均化する重みを変えるBilateral Filterと呼ぶ方法が考案されました。
さらには画素ごとにパラメータを変える改良版のAdaptive Bilateral Filterと呼ぶ方法があり、これをSaizenayに適用してみました。
切り替えて比べて眺めてみると分かりますが、背景のノイズが抑えられ穏やかになっていて、文字・記号は高いコントラストのままなので、浮き上がっているように見えます。
6本の水平線は少しコントラストが低下しているようにも見えますが、背景のノイズが抑えられているので、読み取りやすさという面では問題ないでしょう。というか、6線には高いコントラストは要求されないことが改めて分かります。
Original Image |
Adaptive Bilateral Filter |
Color to Gray Scale |
対象の画像ごとに、画像の解像度や文字・記号部分の劣化程度、周辺のノイズの混在度合いによって、パラメータを決めていく必要があってこれが少し面倒ではあります。でも一旦決まってしまえば、後は流れ作業となります。MinkoffやS.P.E.S.等は、当時はこのような便利な道具がなかったので、全て手作業でやっていたでしょう。