2010年3月16日火曜日

Diego Ortiz "Trattado de Glosas"

音楽書というのは実用書ですから、それが利用されて初めて価値があるものです。特に、翻訳書を選ぶときは慎重でありたいです。
翻訳とは、時代、文化、国を越えたコミュニケーション作業ですから、意味不明瞭では何の役にも立ちません。そのような翻訳は試験優等生が訳した文章でよく目にかかります。

原典の作者と翻訳文の読者との間のコミュニケーションを意識した音楽書として、これは入手しておくべきという本が最近出版されました。
Diego Ortiz "Trattado de Glosas" 「オルティス変奏論」

なお、本書170ページからのRecercada Primera - Ottavaは、David van Ooijen氏によってTabalature化されています。

Eight recercares by Diego Ortiz (ca 1510 - ca 1570) from his Tratado de glossas sobre clasusulas y otros generos de puntos en la musica de violones (Roma, 1553), transposed and intabulated for g’-lute. Treble parts in French tablature for g’-lute, accompaniments in figured bass.